相続税申告

相続税は、亡くなった方から相続により財産を取得した場合に課せられる税金です。
亡くなった方の財産から債務を差引した金額の合計額が、相続税の基礎控除額を超えた場合には、相続税の申告書の提出が必要になります。

何を分ける?相続財産調査

◆相続財産とは

相続財産とは亡くなった方が残した“権利と義務”のこと。
つまり、相続財産には、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も含まれます。

〇不動産(土地・建物):宅地・居地・農地・店舗・貸地など
〇不動産上の権利:借地権・地上権・定期借地権など
〇金融資産:現金・預貯金・有価証券・小切手・株式・国債・社債債権・貸付金・売掛金・手形債権など
〇動産:車・家財・骨董品・宝石・貴金属など
〇その他:ゴルフ会員権・著作権・特許権など
〇借金:借入金・買掛金・手形債務・リース未払金など
〇公租公課:未払の所得税・住民税・固定資産税など
〇その他:未払費用・未払利息・未払の医療費・預り敷金など
〇財産分与請求権  〇扶養請求権
〇生活保護受給権  〇墓地・仏壇・仏具・神具などの祭祀に関するもの
〇身元保証債務

◆遺産総額とは

例題:次の財産は以下の該当する枠内にご記入ください。
   預り敷金、仏壇、貸地、ゴルフ会員権
pluszaisan

〇財産分与請求権
〇生活保護受給権
〇身元保証債務
〇扶養請求権
〇墓地、霊廟、仏具、神具など祭祀に関するもの
などがあります。

相続税がかかる場合とは?

亡くなられた方の遺産相続から基礎控除額を引いた額がプラスになる場合
基礎控除額の計算は以下になります。
3,000万+法定相続人の数×600万
遺産相続:5,500万円
親族構成:
・配偶者あり
・子供あり3名(内、1名は既にご逝去)
・すでにご逝去の子供の子供(孫)2名

答え合わせ!!
No!
相続税はかかりません。

遺産相続5,500万円-基礎控除額6,000=-500万円
となりますので、相続税はかかりません。

基礎控除額の計算は以下の通りです。
3,000万円+
600万円×5名[配偶者+子①+子②+子③の子(孫)A+孫B]
=6,000万円
まだ分割が確定されていない財産は、民法で規定する法定相続分(又は包括遺贈の割合)に従って各相続人が取得したものとして課税価格を計算し、申告をします。
その後、遺産分割が確定し、各相続人の税額が増加・減少した場合には修正申告・更正の請求を行い、税額を訂正します。
納税義務が発生しているにも関わらず申告納税していないと、税務署から電話や書面で申告するように促されます。
それでも申告に応じない場合には、税務調査が行われ、その結果に基づいて相続税額が決定されます。
この場合、無申告加算税や延滞税などが発生する可能性があります。
修正申告書を提出して不足した税額を納税しなければなりません。
この場合、不足税額のほかに過少申告加算税や延滞税が課せられることがあります。
納税者が修正申告書を提出しないと、税務署長が職権で追徴課税を行います。
法定申告期限から5年以内に限り、課税価格や税額を減額するための更正の請求をすることができます。
ただし、
・申告に含めていた相続財産を他の人が相続することになった。
・申告時は法定相続分により分割した後に、遺産分割のやり直しが行われた。
・遺留分の減殺請求による返還・弁償が行われた。
このような理由により税額を算出し直した結果、税額が減少する場合には、法定申告期限から5年以上が経過していたとしても更正の請求ができます。
納税者が自ら税務署の調査が入る前に修正の申告をすれば、加算税はかかりません。
しかし、税務署の調査後に修正申告があった場合には、不足税額に対して10%の加算税がかかります。
申告漏れがあまりにも多かった場合には、不足税額に対して15%の加算税がかかる場合があります。

相続税評価額の算出

相続税の申告は時価ではなく、相続税法や国税庁の通達に従った評価額、すなわち相続税評価額をもとに行います。
相続税の申告で最も難しいのはこの相続税評価額の計算であり、かなりの専門知識が要求されます。
財産評価の詳細は「財産評価基本通達」にありますが、以下に主なものをご紹介いたします。

土地の評価方法

土地の面する路線(道路)を区切りとして、国税庁の定めた土地の路線価をもとに評価する方法です。
評価方法としては、路線価に土地の面積を掛けて評価額を求めるのが基本ですが、間口が狭くて細長い土地だったり、がけ地だったりすると評価額の調整が行われます。
主に市街地的形態を形成する地域で採用される方式で、毎年各国税局が作成する路線価図に基づいて土地を評価します。

算出方法 : 路線価 × (※)補正率・加算率 × 宅地面積
※土地の間口、奥行き、地形等で利用しにくい土地は一定の方法により評価額が低くなります。逆に二つの路線に面している角地などは、土地の利用価値が高くなるため評価額も高くなります。
都市郊外の地域で路線価が定められていない地域で採用される方式で、地域ごとに定められている倍率表に基づいて土地を評価します。
算出方法 : 宅地の固定資産税評価額 × 倍率
算出方法:路線価方式、または倍率方式の評価額×借地権割合
※借地権割合は路線価図や評価倍率表に表示されています。

建物の評価方法

算出方法:固定資産税評価額×1.0
算出方法:自用家屋の価額×(1-30%)

上場株式の評価
証券取引所に上場されている株式を上場株式といい、上場株式の評価は、その株式が、上場されている証券取引所が公表する課税時期(被相続人の死亡日や贈与を受けた日)の最終価額終値によります。

しかし、上場株式は、日々価格変動するものであり、評価の安全性を考慮して4つの評価方法があります。
1)相続があった日の終値
2)相続があった月の終値の月平均額
3)相続があった月の前月の終値の月平均額
4)相続があった月の前々月の終値の月平均額

生命保険金の評価
算出方法 : 受取金額 - 非課税枠(500万円×法定相続人の数)

退職手当金の評価
算出方法 : 受給金額 - 非課税枠(500万円×法定相続人の数)

生命保険契約に関する権利(保険事故が発生していないもの)
解約返戻金相当額
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